あなたの心の中に『べきべき虫』はいませんか?

考え方にはクセがある ~誰にでもある考え方の傾向~

先日のコラムで、「考え方にはクセがある」ということを書きましたが、今回はその考え方のクセのうちの一つについて書いてみたいと思います。

考え方のクセというのは、別の言葉で言うと考え方の傾向ですね。

これは誰でも持っているものなのですが、自分ではなかなか気づかないものです。

そして、クセがあることが悪いことというわけでもありません。

ただ、あまりに偏ったクセがあったり、クセが強すぎると少し自分がしんどくなるかもしれない、ということです。要は、バランスが大切なのですね。

体の健康もそうですが、心の健康もバランスがとれていると安定するものなのです。

ですので、そのバランスがとれる思考を保てると一番いいのですね。

では、今回はそのクセのうちの一つを取り上げて、考え方のバランスがとれて心の健康が保てる方法について考えてみましょう。

心の中 バランス べきべき虫

心の中の『べきべき虫』 ~真面目な人ほど飼っているかも?!~

さて、今回考えてみるクセは、名付けて〝べきべき虫”です。誰でも一度は口にしたことありますよね。

『~するべきだ。』
『~しなくてはならない。』

という考え方です。

この考え方を強く持つ方は、一般的に真面目な方が多いのではないでしょうか。

私の知り合いでこの考え方のクセが非常に強い人がいるのですが、その人の話はいつもこんな感じです。

「この前、〇〇って飲食店に行ったら、私より後に注文した人の料理が先に出てきたの。それっておかしいよね。先に注文した私の料理が先に出てくるべきだよね。あの店、ダメだよね。」

と、かなり不満を持ち続けてきた様子。

しかも、その店はダメだとまで言ってしまうんですね。こうなると、自分では気づいていないかもしれませんが、心の中にストレスをためていってしまっています。

その人は相当大きな〝べきべき虫”が心の中にいるのですね。

もちろん、飲食店では注文した順番通りにお料理が出てくるのがいいですよね。

でも、多少の前後や店にも都合があるのではないかなぁ?と、私は思いましたが、そんなことを心の中に大きな〝べきべき虫”がいる人に話したところで、あまり受け入れてもらえないのすね。

これは、その人のほんの一部の話ですが、ほとんどこのような口調でその人は話します。

つまり、そのような思考のクセをいつも持っているということですね。

心の中 バランス べきべき虫

『べきべき虫』はどんな虫? ~いい側面と悪い側面~

さて、考え方にクセがあることは悪いことではないと先述したとおり、悪い面ばかりではなく、もちろんいい面もあるのです。

ルールを守り、きちんとした行動をし、自分にも厳しい、などがその人の長所で、これがほどほどにバランスよく出ているときは、〝べきべき虫”がいい形で顔を表しているのですね。

しかし、これが行き過ぎると自分で自分を苦しめたり、人にも「~するべきだ」「~しなくてはいけない」と強要してしまったりするのです。

特に、人に強要してしまうと、相手は圧迫感を覚えたり、押し付けられたと感じて口うるさい人だな、と思ってしまいますね。

ところで、〝べきべき虫”ってどんな形、顔をしていると思いますか?

ちょっと頭の中で想像してみてください。

次は、その〝べきべき虫″のコントロールの仕方を考えてみましょう。

心の中 バランス べきべき虫

〝べきべき虫”が大きくなったら ~心を軽くする方法~

先ほども書いた通り、「~するべき」、「~しなくてはならない」という考え方が大きくなりすぎると、自分で自分を追いつめてしまい、他人からも口うるさい人だなぁと思われてしまいます。

そうなると、せっかくの長所がうまく表れなくて残念なことになってしまいますので、少しずつクセを直していきましょう。

まず、最初のステップは、自分の考え方には「クセ」があるということを認めることから始まります。自分の中に〝べきべき虫”がいるかどうかを確認してみてくださいね。

自分でなんだか考え方が苦しいなぁ、と気づいた方はいいのですが、ほとんどの方は気づきません。

ですので、改めて自分で自分の考え方にはクセがあるかどうかを確認する必要があるのです。

さて、大きな〝べきべき虫”が心の中にいた方は、これからの自分の考え方の中で、「~するべき」という単語やよく似たような考えになったら、〝べきべき虫”の顔を頭の中で思い出しましょう。

今、〝べきべき虫”が顔を表した!と思い、考え方をちょっと変えて次のように言い直してみてください。

~するべき ⇒ ~した方がいいな。~できたらいいな。
ダメなことばかり ⇒ ダメな時もあるさ。
あいつが悪い ⇒ あいつも悪いが、なぜそうなったのだろう。

などなど、考え方を少し変えるだけで物事を見る角度が違ってくるんですね。

そして、考え方を変えるのには練習が必要なのです。

練習を重ねていき、このように考えることで自分の心を軽くして、ものの見方を変えていくと視野が広がりますね。

そうすると新しい景色が見えてきて、自分の可能性も広がってくるのです。

ということで、今日は考え方のクセのうちの一つを取りあげましたが、どのようなクセにも共通していえることは、柔軟な考え方を持つと楽になる、ということです。

皆さんも少し頭を柔らかくして、視野を広げ自分の可能性を広げてみてくださいね。

心の中 バランス べきべき虫