受け取らない人 ~謙遜か?否定か?~

 
今回は、以前私がある人と話していて感じたことを少し書いてみようと思います。

その人は、私が何を言っても否定する人でした。
その時に、これは心が豊かになることとつながっていると感じて、いつも思っていることを書いてみようと思ったんですね。

皆さまはどのように感じられるでしょうか。

謙遜と本音の心 ~日本の文化は難しい~

日本人には、謙遜することが美徳とする文化がありますね。
図々しいよりはよっぽど良いと言えるかもしれませんが、あまりに謙遜しすぎるはどうかと、常々私は思っています。

だから、良いことを言われたとき、あまり謙遜せずに素直に受け取ることの方が多い私は、一般的な日本人から見たら少し図々しく見えるかもしれないですね。

誰でも一度くらいこのような会話を聞いた経験があるのではないでしょうか?

一般的な親同士の会話ですが、例えば、AさんがBさんの子どもを褒めているのに、Bさんはこのように言ってしまいます。

Aさん: Bくん、すごいね!この間のマラソン大会で1番だったんだって?!すごいね!

Bさん: いやいや、全然すごくないよ、たまたまだよ。うちの子なんて、たいしたことないよ。

聞いたことありますよね?こんな会話。
スーパーとかでよく見かけます。笑

Bさんは、謙遜のつもりで言っているのですが、こんなとき私はいつも思うのです。

素直に「ありがとう、頑張ったのよ、うちの子。私も嬉しかったわ。」って言えばいいのに、って。他人の前でも自分の子を認めてあげたほうがいいはずなのです。

そして、もし、Bくんがその会話をそばで聞いていたら、その瞬間にBくんの心に見えない小さな傷がついてしまうことにも気付いていないんですね。

そばで聞いていたBくんは、心の中で驚いてしまいます。
え?お母さんは僕のこと褒めてくれたのに。すごいって。でも、ほんとはすごいって思ってないんだ、と、心に見えない傷がつくのです。

人の前では謙遜するのよ、と言ったところでそんなことが理解できるのはかなり大きくなってからです。
大人の事情なんて、子どもにはわかりません。

今回は、詳しくは書きませんが、その時には子どもの心には見えない傷がついてしまうのです。
だから、お父さん、お母さん、お子様が褒められたときには素直に「ありがとうございます。」と受け取りましょう。

それでも、多少の謙遜は必要だと思う方もいらっしゃると思います。
ただ、度を過ぎた謙遜は否定になりかねませんし、人の心に傷をつけることもあるということを頭の隅っこに覚えておいてくださいね。

謙遜 本音 カウンセリング 中島みか

受け取らない人 ~自分を見下すのはやめよう~

以前「愛欠乏症にならないために」にも書きましたが、人は周りの人から認められること、愛されることでストロークを受け取り、心が満たされ幸せになることができるのですね。

そのためには、人から褒められたら素直に受け取ることが必要です。
そして、それは自分だけではなく、家族のことや周りの人のことでも同じですね。

認められる、褒められることは素晴らしいことです。
自分のことや家族のこと、部下、同僚など周りにいる人が認められ、褒められたら素直に「ありがとう」と受け取りしょう。

しかし、どんなに褒めても人の気持ちを受け取らない人がたまにいるのです。
それは、もう驚いてしまうほど受け取りません。

「いえいえ、私なんて全然だめです。」とか、
「これくらいの成績、大したことないですよ。」とか。

こんな風に言うのはとても残念で、自分で自分を傷つけたり、周りの人を傷つけてしまっているのです。

では、なぜ素直に受け止めないのでしょう?

このような人は、もう幼いころから受け止めないクセがついてしまっているんですね。
幼いころに親がそのようにばかり言っていたとか、謙遜したほうがいいと教えられて育ったと考えられます。

上記のお母さんのような会話をずっと聞いて育つとそうなりますね。

しかし、褒められたとき、認められたときに受け取らないのは自分で自分を見下げていることと同じです。

自分はダメな人間だと言いながら、でも、努力している。自分の発言は自分に影響を及ぼすものなので、これでは伸びるものも伸びませんね。

ブレーキ踏みながらアクセル踏んで前に進んでいこうとしているようなものです。

アクセルだけを踏んだ方がよっぽど速いスピードで成長できると思いませんか?

ですので、素直に受け取ったほうが必ず自分にいい効果があるのですね。
謙遜の心を少しだけ変えて、褒められたら素直に受け止められるようにしてみましょう。

謙遜 本音 カウンセリング 中島みか

すべてを否定する人 ~自分でも気づかないクセ?~

しかし、褒められたときに限らず自分のことや謙遜ならまだしも、あらゆることを否定する人がたまにいるのです。

話をしていて、ほとんど全てのことを否定するんですね。
これは、もはや謙遜ではありません。

例えばこんな感じです。

Aさん: 今日はいい天気ですね。
Bさん: いや、天気良すぎて暑くて困るよ。

Aさん: 仕事でお疲れになったでしょう。
Bさん: これくらいの仕事はいつものことだよ。こんなので疲れないよ。

Aさん: ○○の場合は、△△した方がいいですよ。
Bさん: △△したって同じだよ、そんなのじゃ何も変わらないよ。

いかがですか?
このような人に会ったことありませんか?

私はあるんですね。私が投げかけた言葉をことごとく反対の言葉で返してきます。

こんな返事が毎回返ってくると、その後の会話がスムーズにいくと思いますか?
そうはいかないですよね。

自分が言うことを何でも否定されると、話かけている方はだんだんと嫌になってしまいます。
そうなると、うまくいく会話もいかなくなってくるのが当たり前。

社交辞令や謙遜という場合もありますが、あまりに否定を続けると相手が嫌になり、もしかしたらいい話がいっぱい聴けたかもしれないのに、そのチャンスを逃してしまうかもしれません。それは、とてももったいないことですね。

このように全てを否定する人には、どんなことをアドバイスしても受取りません。
自分を変えたくて相談しているとしても、こちらからのアドバイスを何一つ受け入れないのですから、困ってしまいます。

そして、「こうしたほうがいいですよ。」と言えば、いや、「そんな方法ではできない。」というように全て否定の言葉で返ってくると、その人のことを思ってアドバイスしている側も嫌になってしまうのです。

しかし、誰でも自分のクセにはなかなか気づかないものです。

自分ではそうは思っていなくても、気づかないうちにこのようなクセがあるかもしれません。今一度、誰かと会話しているときの自分の言葉を考えてみてくださいね。

謙遜 本音 カウンセリング 中島みか

受け取ると楽になる ~肯定的な言葉を使おう~

だいぶ昔の話になりますが、俵万智さんの「サラダ記念日」という本がありましたね。
その中でこのような短歌がうたわれていました。

「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ

「寒いね」と言ったら、「寒いね」と言ってくれる。
この短歌は、答えてくれる「人」がいるのがあたたかいと歌っていますが、言葉を考えた時に、「寒いね」と言った自分の気持ちを受け止めてもらえたということだけで、無意識に嬉しさを感じているのですね。

これが、「寒いね」と言ったら、「寒くないよ」と言われたら、一瞬ムッとする人もいると思います。そして、それが毎日続いたらだんだん嫌になってストレスがたまり、会話さえなくなるかもしれません。

そして、実際にときどきいるんですね、否定する人。
本当に寒くないと思っているのではなく、クセで否定形で返してしまう人です。

そのような方は、少しずつ肯定的な言葉を使って相手の言うことを受け止める話の仕方を練習してみてくださいね。
きっと会話がうまく進むようになり、自分のことも認めてもらえるようになると思います。

そして、何より自分の気持ちが楽になるのです。

全てを否定して答えていると、実は、自分の気持ちも疲れさせています。否定するということは反抗に近い場合もありますので、そのエネルギーは自分にとっても良くないマイナスとなっているのですね。

ですから、肯定的な返事、言葉を使って話すことは、マイナスのエネルギーを使うこともなく、自分の心も軽くできるのですね。

いろいろな考え方があるとは思いますが、自分は、受け取らないクセがあるかどうかを見直して、ぜひ「受け取る人」になれるようにしてみましょう。

謙遜 本音 カウンセリング 中島みか