視界から色が消えた話

 最近、小林正観さんの本を読みました。
 ちょっとスピリチュアルな話ですが、実はこの頃、いろいろな巡り合わせで「この本を読みなさい」と見えないメッセージで引き寄せが起きることがあり、最近巡り合ったのが小林正観さんの「ありがとうの神様」という本でした。
 

 私は、小林正観さんという方を存じ上げなかったので、どのような方なのか?とインターネットで調べてみると、すでにお亡くなりになっている方でしたが、公式ホームページから著書、その他の情報もザーッと出てくるくらい有名な方だということがわかりました。
 

 そして、人間の潜在能力や超常現象に興味を持って、宇宙の法則や神様の存在を信じて研究されてきた方とのこと。本のタイトルも私には興味深く、早速購入して読んでみたという次第です。



 その著書、「ありがとうの神様」の中には、私もずっと信じている神様や守護霊のこと、感謝の言葉の大切さ、そして、それには偉大な力がある、ということや、その他たくさんの人が生きていく上での大切なことが書かれていました。
 どの話も至極理解できるもので、普段私も悩み事を抱えている人に伝えてはいますが、もっと多くの人がこれに気づいて、心が楽になったらいいなぁ、と思うことばかりでした。
 

 そして、その中で、小林さんはご自身のお嬢さんに知的障害があるということを度々書かれています。そのお嬢さんは、慶子さんというお名前です。
 慶子さんは、知的障害はあるものの、だからゆえ、他の子どもにはない「温かさ」を持っている存在で、慶子さんがニコニコ笑っているだけで、まわりの人間は安らいで温かい気持ちになって、優しい心になれる。と小林さんは書いています。
 

 だけれど、30歳で結婚して33歳で慶子さんを授かった時に、医師から知的障害児であることと「手術をしても、薬を飲んでもリハビリをしても治りません」と宣言されたあとには、私の視力から「色」が奪われた。と書かれてありました。
 色が奪われ、モノクロの白黒だけの世界になったそうです。そして、それから半年間、その状態は続いたということ。
 小林さんは、視力から色が消えるほどの苦しみの中にいて悩んでいたのですね。
 

 この話は、「ありがとうの神様」の本の中でも、だいぶ後ろの方に書かれていて、私は、そこまでに書かれていた内容がすべて頭の中から消えてしまうほど、小林さんの「視力から色がなくなった」という出来事の文章に釘付けになりました。
 

 なぜなら、私も同じ経験があるからです。私の視界から色が消えた。それは本当のこと。
 いつそうなったか、というと、結婚して2ヶ月経った頃のこと。夫のことでショックなことを知ってしまった時のことでした。


 どんなショックなことだったか、ということは書けませんが、その時に、私の視界から色が消えました。
 街を歩いていても、白黒にしか見えない。向こうから歩いてくる人がどんな色の服を着ているのもわからない。店の看板にも色がない。というよりも、景色すべてに色がない。
 そして、心もここにない。私の精神は、崩壊しつつありました。
 

 なので、当時の私は、新婚だったにも関わらず、人生のどん底。こんなに人の心を傷つけることがあるのかと思うくらい辛く、苦しく、絶望感しかありませんでした。
 

 こんなことってあるのか?と思うくらい、色がない世界。
 でも、私は、それがどれくらいの期間続いたのかは覚えていません。1週間くらいだったかもしれません。
 
 
 これまでにも、そのショックな出来事で私の視界から色が消えた、ということは、度々いろいろなところで書いてきましたが、同じ経験をしたことがある人の話を知ったのは、初めてでした。
 

 人は、心にショックを受けすぎると、視力から色が消えることがある。ずっと私だけかと思ってきたけれど、同じ経験をした人がいる。だから、事実なのです。心のショックが体に与える影響は、医学や科学では証明しきれないものがあるのだと思います。


 では、小林さんがどうやって視力から色を取り戻したかというと、それは、小林さんが新聞に載っていたあるコラムを読んで、自分自身が「障害」や「障壁だ」と思っていた大きな悩みは「自分の認識だけの問題」ということに気づき、娘の慶子さんのすべてを受け入れた瞬間に解決した、と書かれてあります。
 

 また、小林さんは、こうも書かれています。
「生まれてからわずか半年後に、慶子は私に大きなことを教えてくれました。
悩み、苦しみは、目の前の現象を否定し、受け入れないところから生じている」

 
 そして、自分に起きたことやこれから起きることは、すべて自分が成長するために必要なことだと思うこと。そう教えてくださっています。
 

 その通りですね。私たちは、自分に起こっているすべてのことをありのまま受け入れ、今のままでいいんだ。と思えるようになると、ずいぶん心が楽になります。
だから、今何か問題が起こっていても、それは、すべて自分に必要な経験なのだと受け入れられるようになれるといいのです。
 

 それは、過去のことでも同じことで、私ももう25年以上前にもなるショックな出来事をすべて受け入れているか、というとまだ受け入れられていなかったかもしれません。
 

 受け入れる、ということは、感謝するということです。
 

 なので、過去のこともすべて受け入れ感謝する。あの経験があったからこそ、今の自分がいる。それはわかっていたのですが、「すべてを受け入れる」ということが果たしてできていたかどうか、小林さんの本を読んで改めて考えました。
 

 でも、今考えてみて、私は、もう過去のすべてを受け入れている。と自分で思えるようになりました。それにはもう心は痛まず、心はきちんと成長していると自分でも感じています。
 

 今、目の前で起こっていることを受け入れることができれば、人の悩み事は無くなって心を軽くすることができる。
 これを読んでくださっているあなたも、このことを知っておくと、生きていくのが楽になると思います。