月までの距離を知っていますか?
今夜、夜空を見上げたら月がとてもきれいでした。
満月のように見えました。
(この写真は、イメージです。)
そこで、月までの距離ってどれくらいだろう?と思って調べてみたところ、約38万㎞とのことでした。
これは、東京から測っても、北海道から測っても、約38万kmだと思います。
そして、この月までの距離は、誰に言っても素直に信じてもらえる周知のことと思います。
なぜなら、それを調べるために設置された公の機関が発表していることだからですね。
自分が持っている『ものさし』
月までの距離のように、一般的に社会で発表された事実については、人々は疑いもなく信じてしまうものです。
でも、人ってときどき勝手に自分のものさしで物事をはかってしまうことがあるって思いませんか?
そして、自分のものさしではかると、他人が測ったときとは距離が違うんです。
自分のものさしで物事をはかる人はこんな風に言ってしまいます。
「私だったらやらない。」
「私ならできる。」
などなど。
誰も思わず言ってしまう言葉ですが、これを言っているときって他人のことを自分のものさしで測っているときなんですね。
私だったら、、と言われてもあなたじゃないのです。
私なら、、と言われても、あなたじゃないのです。
こんな風に、自分のものさしで測ってしまう人は、人の話を勝手に自分に置き換えて「自分なら、、」と話してしまうものなんですね。
短いものさしでは長いものは測れない
実は、私もかつて自分のものさしで物事をはかって自分の意見を人に押し付けてしまっていました。
特に、子どもに対しての会話はいつもこんな風でした。
「みんなできるんだから、ちゃんとしなさい。」
「なんで、○○くんはできるのに、あなたはできないの?」
いずれも、私のものさしで測ってしまっていたゆえに出た言葉です。
私のものさしはものすごく短く、ものすごく固かったんですね。
ですので、子どもが大きくて曲がったのを持ってきたとき、本当は、私は自分のものさしでは測ることはできなかったのです。
ですが、一生懸命自分のものさしで測った挙句、トンチンカンな意見を子どもに発していたのだと思います。
短いものさしでは、長いものは測れません。また、固いものさしでは柔軟性がないので、素晴らしく美しい芸術性を持った形のものなども測れません。
それでも、私を含めて多くの人は、自分のものさしで他人をはかってしまうものなんですね。
そして、それは自分の価値観の押しつけに過ぎない、となかなか気づかないものなのです。
ものさしの長さ
では、どのようなものさしを持っていれば、さまざまなことを正確にはかることができるのでしょうか?
私は、長くて柔軟性があるものさしを持っているのがいいのではないかと思います。
長くて柔軟性があるものさしを持っている、ということは、どんな変わった形のものが表れても、それに合わせて測ることができ、長いものでもどこまでも測ることができるというように、様々なことをきちんと測定できるいうことなのですね。
それは、別の言い方をすると、自分本位の価値観にとらわれず他人を認められるということです。
しかし、これはなかなか難しいもので、人はついつい自分の意見を他人に押し付けてしまいがちです。
そして、多分多くの人が気づいているように、年をとればとるほどその傾向は強いのです。
長いものさしをもつために
あなたは、柔軟性があって長いものさしを持っていますか?
自分が持っているものさしの長さはどれくらいか、ときどき自分で考えてみるといいと思います。
他人の言うことを否定していませんか?
自分の意見を押し付けていませんか?
長くて柔軟性があるものさしを持つ、ということは、物事を客観的にとらえ冷静に判断するということです。
自分の価値観、主観で物事をとらえ、それを他人に押し付けているときは自分のものさしが短くて固いと思って、一度振り返って考えてみましょう。
客観的に自分を見ることで、誰でも長くて柔軟性のあるものさしを持つことができます。
ときどき気を付けて自分を観察してみてくださいね。
何より、そうすることで自分自身が楽になります。
いつまでも自分の価値観を押し付けていると、だんだんしんどくなるのは自分なのですね。
ですので、自分自身も楽になるために、長くて柔軟性があるものさしを持ちましょう。
そうすることで、あなたの見える景色も違ってくるはずです。