インナーチャイルドとは
インナーチャイルドとは、文字通り「内なる子供」のことなのですが、果たしてどのような子供なのでしょうか?
それは、わかりやすく言うと幼少期についた「心の傷」を持った自分の心に潜む子どものことなのです。
私たちが生まれて初めて出会う人間は親ですね。誰しも親からは無条件に愛されて育つものだと思います。
しかし、もし、その親または親に代わる養育者から愛されないで育ってしまったとしたら、その子どもはどのように感じ、どのようなに心が成長するでしょうか。
親から優しくされない、信じてもらえない、否定される、無視される、認めてもらえない等、親から愛情を受けずに育ってしまった子どもの心には傷が残ってしまいます。
そして、その頃についてしまった心の傷がインナーチャイルドなのです。
インナーチャイルドはいつかなくなる?
幼少期についた心の傷は、自分でも気づかないうちに潜在意識に埋め込まれ大人になっても自分の中に居続けてしまい、なくなることはありません。
そして、大人になってからその心の傷が様々な形で現れるとき、私たちは生きづらさを感じ様々な反応を起こしてしまうことがあるのです。
大人になってからインナーチャイルドが大きく顔を出すか出さないかの違いはありますが、ほとんどの人の潜在意識の中には多かれ少なかれインナーチャイルドが存在していて、それが思考や言動に影響を与えていると考えられます。
このようにインナーチャイルドが心の成長に大きく影響し、大人になっても他人とのコミュニケーションをうまく取れなかったり、人間関係、恋愛関係で生きづらさを感じてしまうような人はアダルトチルドレンと言われたりします。
なぜインナーチャイルドができるの?
それでは、インナーチャイルドの原因は何なのでしょうか?
その代表的な要因のとして、「機能不全家族」があげられます。
機能不全家族とは、一般的な家庭のあるべき機能が健全に機能していない家庭のことを言い、具体的には、心身への虐待、育児放棄や代表的なものとしては家族のアルコール依存等で家庭内の環境が健全ではない家庭のことです。
このような家庭で育つと、本来受けるべき愛情を受けられないまま成長するために、幼少期に学ぶべき愛情や社会規範を学ぶことができず、知らず知らずのうちに歪んだ思想や観念を身につけてしまいます。
機能不全家族で育った子どもは、親からの影響が大きく何が健全で、何が不健全なのかを理解することができません。
そのため社会での適合能力が低くなってしまうのです。
インナーチャイルドは心のアレルギー
また、インナーチャイルドは少し言葉を変えて表現すると『心のアレルギー』とも言えます。体にアレルギーを持っていると、そのアレルギー反応が体に出たとき辛いですよね。
例えば、食物アレルギーであったり、花粉症であったり。アレルゲンが体に入ることで人はアレルギー反応を起こしてしまいます。
そうならないために、アレルギーを持っている人はアレルギー物質を避ける努力をするのです。
インナーチャイルドを心のアレルギーと考えると、自分がどのようなアレルギゲンを潜在意識に持っているかを自分で意識しているだけで、アレルギー反応を起こさないように自分自身をコントロールできます。
卵アレルギーの人が卵をとらないように気を付けるように、自分の心のアレルギーも知っておくとアレルゲンとなるものを避けることで、不安やストレスのコントロールをしやすくなるというわけです。
インナーチャイルドは決して消えることはありませんが、自分自身の心のアレルギーを理解しておくことが大切なのですね。
インナーチャイルドはいつ表れる?
できれば表れてほしくないインナーチャイルド、いつ、どのような時に現れるのでしょうか?
それは、心が疲れた時、心に隙間ができてしまったとき、自分の心が不安定になったときに表れやすいと言われています。
最近、なんだか疲れてイライラする、生きづらさを感じてしまうなど、いつもと違う心の不調を感じたときは、自分の中にあるインナーチャイルドが顔を表そうとしてるのかもしれません。
人によって様々ですが、空虚感を感じるようになる40代くらいにインナーチャイルドが出やすいと言う説もあります。
心の傷を癒すためには
潜在意識の中のインナーチャイルドが顔を出そうとして、なんだか生きづらいと感じた時には、過去の子どものころの自分の心に向き合い、傷ついてしまった心インナーチャイルドを癒してあげましょう。
幼児期の自分の体験を思い出し、その頃に満足できなかったこと、我慢し続てきたこと、聞いてほしかったことなど、幼いころの自分に語り掛け、幼い自分の心を満たしてあげることで情緒が落ち着いてくるようになります。
自分では気づいていないようでも、とても小さなことが今の心を塞いでいることがあるのです。
ゆっくりと幼い自分と向き合って話してみることから始めましょう。