不幸の方程式 ～あるセミナー講師の話～
突然ですが、あなたは何か迷ったことはありますか？
朝から晩まで考え続けて、考えたけれど結論が出ない。
こんな状態になったことがあるでしょうか？
もしあるのなら、以前私が参加したセミナーで講師が教えてくれた「不幸の方程式」というものをご紹介しましょう。
そのセミナーのタイトルは、確か「迷う心とは？迷う心をすっきりしよう。」というようなものだったと思いますが、その中での話です。
人が迷い続けている時間は非常にもったいないもの。
もし、20年も迷っていたら、という例え話で不幸の方程式を書き出したのです。
20年迷った時間をお金に換算すると、、、、
20年を日数に直すと、20年×365日 = 7,300日
時間に直すと、 7,300日×24時間 = 175,200時間
時給900円で考えたとしたら、
175,200時間×900円 = 157,680,000円
となるわけですね。
1億5,768万円、これが不幸への投資額です。
実際は、1年365日休む間も寝る間もなく働くわけではないので、時給で考えるのは間違ってると思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、迷い続けている時間を金額に表わすとこんなに高額になる、というお話でした。
私は、この話を聞いて実は妙に納得したんですね。
と言うのも、以前にも書きましたが私は離婚するまで何年も悩んでばかりでした。
具体的には、7,8年悩んだでしょうか。後から考えれば、もっと早く離婚を決断すればよかったと思うのですが、悩んでいるときはそんな決断できなかったんですね。
ですので、この迷っている時間を金額にして考える、という方法を聞いたとき、もったいなかったと納得してしまったのです。
もっと早く離婚して働けばいくらかでも収入になったのに、と。
それにもしかしたらもっと道もひらけたかもしれませんね。
迷いとは？ ～ネガティブな考え方～
まず、迷っているというのはどのような状態なのでしょうか？
それは、選択ができない状態なのですね。
選択肢があるのに選べない、この状態が迷っているということです。
どんな状況でも選択肢はあるのです。しかし、それが選べない。
その原因の一つとして、ついついネガティブ思考に陥ってしまうということが挙げられます。
ネガティブ思考の方は、ついつい悪い想像をしてしまいます。
それは、リスクを選んだけれど、その先でよりよく生産できることはあるかと考えることが欠如しているため、悪いことを想像した時点で思考が止まっているからです。
つまり、マイナスになるかもしれないことを選んだとしても、その先のプラスのことを考える力が乏しいのですね。
今すぐに少しのマイナスがあったとしても、その先にプラスになることを考えてみる。
これが大切なことなのです。
このように考えられないと、上述のとおり、不幸の方程式が当てはまってしまうのですね。
不幸の方程式からの脱出 その１ ～自分を追い込む～
それでは、どうすれば不幸の方程式にはまらなくなるのでしょうか？
たくさんの方法があると思いますが、そのうちの一つがこれです。
切羽詰まること。
なんだかんだと言って、迷っていられる間、決断しなくてもいい間は、結局その人は究極には困っていないということです。
人間、究極に困って切羽詰まると決断するのです。
分かりやすい例えで言うと、あなたが山道を滑ってしまって、崖っぷちから落ちそうになっているとき、「どうしようかな、助け呼ぼうかな、それとももう少し待とうかな。」とかゆっくり考えますか？
そんな悠長なこと考えていられないですよね。
もう絶体絶命です。
自力であがるか、誰かに助けてもらわないと落ちてしまうのですから、必死で助かろうとするはずです。
このように人間は切羽詰まると必ず決断をするのです。
しかも、よりよい方向へ行こうと瞬間的に選ぼうとし、なおかつそういう時にはものすごいエネルギーを発します。
いわゆる、「火事場の馬鹿力」ですね。
このような状況を意図的に作ることもできますね。自分を追い込むということです。
迷っているときは追い込まれていない時なのです。
ですので、本当に迷いから脱出したいと思っているのであれば、自分で自分を追い込むというのも一つの方法ですね。
これは、マイナスの力を利用してプラスに変える方法です。
因みに、私ごとで恐縮ですが、私が離婚を決意したのは、この「切羽詰まる」という状況に似たものがありまして、もうこれ以上我慢する必要はない、この先どんなことがあっても、もういいんだ！とめちゃめちゃすごいエネルギーが湧いてきたんです。
ブチ切れってやつですね。
不幸の方程式からの脱出 その2 ～宣言する～
そして、いくつかあるうちのもう一つの方法は、これです。
宣言する。
これは、迷った時もそうですが、何かを成し遂げたいときに使うと効果があります。
どこかの会社のテレビCMでもよく聞く「コミットする」ということと同じです。
誰かに宣言すると、それをやらなくてはいけない状況になります。
迷いから抜け出したいと思う気持ちが強いほど、自分に強い影響力がある人に宣言することをお勧めします。
その方がより効果を得られるはずです。
この方法は、禁煙やダイエットの相談の時にもクライエントさんにアドバイスする方法です。
本気で禁煙やダイエットをするなら、まずは家族に宣言。
そして、その言葉を紙に書いて見えるところに貼りましょう、とお伝えしています。
「私は、禁煙しています。」
「私は、〇〇kgまで体重を落とします。」
などと書いた紙を見ることによって徐々に意思が強くなり、心がすっきりしてくるのです。
何かを成し遂げたいと思ったら、まずは宣言。
実践してみてくださいね。
負のスパイラルに陥らないために ～エネルギーが少なくて済む脱出方法～
そして、迷いから脱出しようといずれの方法を選んだとしても、よりよい方向へ進んでいくにはプラスとマイナスをうまくコントロールすることが必要です。
どうしてもネガティブに考えてしまう人は、無理やりポジティブに考えるのではなく、マイナスの部分をどうやったらうまく使えるだろう、どうやってうまく使ってやろうと少し方向転換を考えてみるようにしましょう。
もし、この選択をして悪いことが起こったらとき、それをどううまく利用するかを考えてみることです。
必ずプラスに変えられることがあるはずです。
そうして少しずつ方向転換をしていくうちに、よりよい選択ができるようになってくるのです。
幸せになるためには、不幸をうまくコントロールすることが重要というわけですね。
不幸の向こう側には必ず幸せがあります。
もし、今あまり幸せを感じなくて迷っていたら、幸せを掴むために今の状況をいかにうまく利用して方向転換するか、マイナスを解消することを考えると明るい未来が見えてきます。
今、迷っている方は、不幸の方程式にはまらないように、自分の未来にあるものを想像して決断していってくださいね。
