自己否定が強い人

 最近、悩み相談を受けていて思うことがあります。
 それは、悩みごとは人それぞれ違うけれど、悩みごとを抱えている人に共通しているのは、
自己否定が強いということ。
「私なんて」「私なんか」「そんなことできないです。」「無理です。」「やったってどうせ一緒です。」このような言葉がよく出る人ですね。


 

 以前、自己肯定感について書きましたが、自己肯定感を高めることは大事ですが、
この「自己否定」が強い人は自分を肯定しようとすると、よりたくさんのエネルギーが
必要になってしまいますね。なぜなら、今自分がマイナスの状態だからです。

 

 だけど、自己肯定感は高い方がいい。では、そうするためにはどうすればいいか。
まずは、自己否定をやめることですね。私なんて、と言わない。でも、どうせ、と言わない。
それを意識することが大事です。



 

 さて、自分もついつい自分を否定してしまうかもしれないなぁと思う方、
なぜ自分で自分を否定してしまうのか考えてみたことはありますか?
 

 私は、カウンセリング中に自己否定が強い方に「お父さん、お母さんは厳しかったですか?」
と聞きます。すると、多くの人が、「厳しかった。」「いつも否定された。」
「自分の話を聞いてくれなかった。」というようなことを言います。

 
 このように、大人になっても自分を否定してしまう人は、幼少期に親から否定されて
育って人が多いのです。
 

 あるクライアントさんは、「成績が悪いと問題集を切り刻まれた。」と言っていました。
でも、それも自分が成績が悪いから、と思っていたそうです。
 それは普通ではないよ。辛かったでしょう。と私が言うと、
「え?私が悪いんじゃないんですか?もっとひどいこともされたんですけど。」
ともっとひどいことというお仕置きは、もはやそれは虐待ではないかと思うものでした。
それでも、自分が成績がよくなかったから。自分が悪い。
と今の今まで思っていたと言っていました。

 
 
 またある人は、自分の意思とは関係なく受験させられ、私立の学校へ入ったけれど、
また親の都合で転校させられたと言っていました。自分の気持ちなんてわかってくれないし、
話も聞いてくれない。この方は今も人にとても気を遣いながら生きています。
 


 

 こんな風に自分を否定され続けてしまうと心が全く満たされないまま大人になってしまいます。
だから、心の成長が止まったままで追いついていない。自分が悪いんだ。私なんてダメなんだ。
と思っていた子どもの頃のままなのです。
 なので、体と心の年齢が違うから違和感を感じて生きづらいし、悩み事も多い。
 

 だから、このような方には、あなたが悪いんじゃないんだよと私は言います。
そして、実際にあなたは悪くないのです。自分を否定され続けてきたから、
自分が間違っているのかな?と思ってしまうだけ。
 

 今のままの自分でいいんだ。私はこのままでいいんだ。と思うと楽になるのに、
そう思えない思考の癖がついてしまっているだけなのです。

 
 幼少期の環境はこのように人にとても大きな影響を与えますね。
今、悩み事が絶えない人も、実は悩み事の大元は目の前のことではないかもしれません。
自己否定をやめるために子どもの頃の自分をもう一度見つめ直してみると思わぬことに気づくはず。
そして、今でもあなたの心の中にある傷を手放すと今の自分が変わります。
自己否定が止まらない方、一度幼少期の自分の心を癒してあげてくださいね。
 
 インナーチャイルド